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【第726回】 「流量経済」と「信頼経済」の違いとは?

バズを生む抖音、ファンを育てる快手

中国共通 ネット EC

SUMMARY

快手の主力ユーザーは「下沈市場」に集中 中国のショート動画市場を語るうえで欠かせないのが、抖音(ドウイン・TikTok)と快手(クアイショウ)の存在です。 両者はともに7億人規模のユーザーを抱える巨大プラットフォームですが、その成り立ちやユーザー文化、ビジネスモデルには大きな違いがあります。 最も大きな違いの一つがユーザー構成です。抖音が一線・二線都市を含む幅広い層に利用されているのに対し、快手の主力ユーザーは「下沈市場」と呼ばれる三線級以下の地方都市や県、郷・鎮、農村部に集中しています。 快手の公式データによると、三線級都市以下のユーザー比率は約6割。都市ランク別では四線級都市が23%、五線級都市が22%を占めており、両者を合わせると全体の半数近くに達します。 中国市場の今後の成長余地が大きい下沈市場を攻…

快手の主力ユーザーは「下沈市場」に集中
 中国のショート動画市場を語るうえで欠かせないのが、抖音(ドウイン・TikTok)と快手(クアイショウ)の存在です。

 両者はともに7億人規模のユーザーを抱える巨大プラットフォームですが、その成り立ちやユーザー文化、ビジネスモデルには大きな違いがあります。

 最も大きな違いの一つがユーザー構成です。抖音が一線・二線都市を含む幅広い層に利用されているのに対し、快手の主力ユーザーは「下沈市場」と呼ばれる三線級以下の地方都市や県、郷・鎮、農村部に集中しています。

 快手の公式データによると、三線級都市以下のユーザー比率は約6割。都市ランク別では四線級都市が23%、五線級都市が22%を占めており、両者を合わせると全体の半数近くに達します。

 中国市場の今後の成長余地が大きい下沈市場を攻略するうえで、快手は極めて重要なプラットフォームといえるでしょう。

 コンテンツ拡散の仕組みも対照的です。抖音は高度なアルゴリズムによって人気コンテンツを一気に拡散する仕組みを採用しています。そのため、短期間で数千万回再生される動画が生まれる一方、アルゴリズムに評価されなければほとんど視聴されないこともあります。

 一方、快手は比較的“広くあまねく”トラフィックを配分する仕組みを採用しています。フォロワー数の少ない一般ユーザーや中小規模の配信者にも一定の露出機会が与えられるため、新規参入者でもファンを獲得しやすい環境が整っています。

 ユーザーと配信者の関係性にも違いがあります。抖音では「視聴者とタレント」のような関係が中心で、人気コンテンツを楽しむことが主目的です。

 一方の快手では、配信者とユーザーの距離が近く、長年のフォロワーの名前を覚えている配信者も少なくありません。日常会話のような交流が行われることも多く、「友人」や「顔見知り」に近いコミュニティが形成されています。

 この違いはECにも表れます。抖音が話題性や拡散力を活用した「爆発的ヒット商品」と相性が良いのに対し、快手はリピート購入型ビジネスとの親和性が高いのが特徴です。

 快手には「老鉄(ラオティエ)」と呼ばれる強い信頼関係を基盤としたコミュニティ文化があり、ユーザーは信頼する配信者から継続的に商品を購入します。

 つまり、抖音が「流量経済」の代表格だとすれば、快手は「信頼経済」の代表格です。どれだけ多くの人に見られるかを重視する抖音に対し、快手ではどれだけ深い信頼関係を築けるかが成功の鍵となります。

 中国市場、とりわけ下沈市場を攻略するうえで、この違いを理解することは非常に重要だといえるでしょう。

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