【第718回】 「売る」から「信頼を築く」へ
TikTok Shop日本市場に見る三つの特徴
中国共通
ネット
EC
SUMMARY
TikTokのEC、世界市場へ展開 会報誌3月号で取り上げた、2025年に本格的な立ち上げ期に入ったTikTok Shopの日本市場。他国とは異なる独自の進化を見せているなか、その特徴は大きく三つに整理できます。 第一に、コンテンツが「商品説明書」として機能している点です。日本の消費者は安全性や信頼性を重視する傾向が強く、単なる売り込みでは購買に結びつきにくい市場です。 ショート動画で直感的な理解を促し、ライブ配信で詳細な説明や双方向のコミュニケーションを重ねることで、納得感と信頼を醸成していきます。特に美容・パーソナルケア分野ではこの構造が顕著で、短期間でも高い実績を示しています。 第二に、インフルエンサー主導の販売構造です。日本市場ではインフルエンサー経由の売上が中心であり、単に人数を増やすのではなく、ブランドとの…

会報誌3月号で取り上げた、2025年に本格的な立ち上げ期に入ったTikTok Shopの日本市場。他国とは異なる独自の進化を見せているなか、その特徴は大きく三つに整理できます。
第一に、コンテンツが「商品説明書」として機能している点です。日本の消費者は安全性や信頼性を重視する傾向が強く、単なる売り込みでは購買に結びつきにくい市場です。
ショート動画で直感的な理解を促し、ライブ配信で詳細な説明や双方向のコミュニケーションを重ねることで、納得感と信頼を醸成していきます。特に美容・パーソナルケア分野ではこの構造が顕著で、短期間でも高い実績を示しています。
第二に、インフルエンサー主導の販売構造です。日本市場ではインフルエンサー経由の売上が中心であり、単に人数を増やすのではなく、ブランドとの親和性や世界観を重視した「少数精鋭」の連携が主流となっています。
また動画とライブの構成比にも特徴があります。日本ではショート動画が56%、ライブ配信が44%とほぼ拮抗しているのに対し、米国ではショート動画が約8割、ライブ配信は約2割にとどまります。
この差は、日本の消費者がライブ配信を通じた継続的なコミュニケーションの中で信頼を築く傾向が強いことを示しています。
第三に、コアファン層と長時間ライブの存在です。ACG関連をはじめとする熱量の高いファン層が、安定した購買を支えています。
日本では短時間で売り切るよりも、長時間にわたり丁寧に説明を重ねることで信頼を積み上げるスタイルが定着しつつあります。コンテンツの量よりも、専門性や説得力といった「質」が重視される点も特徴です。
TikTok Shopは単なる販売チャネルではなく、信頼を軸に顧客との関係を築く場へと進化しています。日本企業にとっても、単なる販売チャネルではなく、新たな顧客接点のあり方として検討すべき段階に入っていると言えるでしょう。
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