【中国消費洞察メルマガ 第732号】日本企業が注目すべき「618」商戦の変化
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2026年7月29日 毎週水曜日配信・無料
【中国消費洞察メルマガ 第732号】
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こんにちは!キャストグローバルの大亀です。
7月初頭に開催された「上海国際フィジカルAI(具身智能)産業博覧会」を視察しました。会場には、いま世界中から注目を集めるヒト型ロボットをはじめ、人工皮膚や関節などの部材、3Dプリンターなど、フィジカルAIを支える幅広い技術・製品が展示されていました。
段ボール箱を一つずつ別の場所へ運ぶロボット。四足歩行で傾斜や階段を軽々と移動するロボット。目の前のサッカーボールを認識し、ゴールへ向かってシュートするロボット。いずれもカメラで周囲を認識し、AIが状況を判断したうえで自律的に動作していました。
一番人気はユニツリー(宇樹科技)のブース。今年の春節(旧正月)の特別番組でカンフーダンスを披露し、世界中で話題となったヒト型ロボットです。キックボクシング (ムエタイ)用のリングが設けられ、試合前の儀式舞踊「ワイクルー・ラムムエ」も披露。パンチやキックはもちろん、ダウンした後に素早く立ち上がる一連の動作も滑らかでキレがありました。
勢い余って相手に激突したり、回し蹴りの際には「ガシャーン」という金属同士がぶつかる衝撃音が会場に響き渡ります。リング傍でスタッフがリモコンを操作していたので、現時点では恐らく“ヒト”による制御なのでしょう。これがAIによる自己判断で襲ってきたら…と思うと、背筋がゾッとしました。
今週のコラムは、会報誌6月号で特集した中国最大級のECイベント「618」セールについてです。では、中国消費洞察メルマガ第732号をお送りいたします。
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中国歴25年の日本人コンサルタントがお届けする中国消費・マーケティング情報です。中国の消費現場、トレンド、ネット・EC、小売・流通、消費者動向などを2分前後の動画で解説します。
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【目次】
1. コラム「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第732回)
◆「AI主導元年」を迎えた中国EC市場
~日本企業が注目すべき「618」商戦の変化~
2. 新着コンテンツ一覧
3. 新着統計データ一覧
4. お知らせ
会報誌「中国消費洞察」2026年6月号(vol.135)発行
(詳細)https://www.cast-marketing.com/newsletter/
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■コラム 「大亀浩介の中国Bizコンサルタントの眼」(第732回)
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【第732回】 「AI主導元年」を迎えた中国EC市場
~日本企業が注目すべき「618」商戦の変化~
会報誌6月号で特集した中国最大級のECイベント「618」セール。今年も以前のような過熱感は見られず、“静かに”閉幕しましたが、その背景には、中国EC市場が急成長期から成熟期へ移行し、新たな競争段階へ入ったことがあります。
特に注目されたのは、「AI(人工知能)主導元年」と呼ばれるほど、AIの存在感が一気に高まったことです。これまで販促を支援するツールだったAIですが、商品検索や広告運用、店舗運営、顧客対応までを担う基盤技術へと進化しました。
淘宝・天猫は生成AI「Qwen(通義千問)」と連携し、商品検索から購入までをAIがサポート。京東もAI経営支援ツールを導入し、価格設定や広告運用を効率化するなど、競争の軸は価格からAIを活用した運営力や顧客体験へと移りつつあります。
一方、販促手法も大きく変化しました。複雑なクーポンは姿を消し、「公式値引き」や商品ごとの直接値引きといったシンプルな施策が主流となっています。
消費者も大型セールでまとめ買いをするのではなく、「必要な商品を必要なタイミングで購入する」という消費へとシフトしています。
もう一つ見逃せないのが、フードデリバリー網を活用したネット通販「即時零售」(インスタント・リテール)の急成長です。
食品や日用品だけでなく、家電や化粧品まで注文後30分程度で届くサービスが急速に普及。618期間中のGMV(流通取引総額)は前年同期比で2倍超となりました。中国では「安く買う」だけでなく、「すぐ届く」ことが新たな競争軸になっています。
日本企業にとっても、618商戦を単なる販促イベントではなく、中国市場の変化を読み解く重要な指標と捉えるべきです。
価格競争だけでは差別化が難しくなるなか、各ECプラットフォームが提供するAIツールの活用や、インスタントリテールへの対応も重要なテーマとなるでしょう。
こうした変化をいち早く捉え、自社の販売戦略へどう取り込むかが、中国市場で持続的な成長を実現する鍵になりそうです。
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◆中国ショート動画「快手」分析レポート(6)
~快手を支える「老鉄文化」と「信頼経済」とは?
前述の通り、「老鉄」とは、快手のユーザー同士が互いを呼び合う言葉だ。そこには、単なるSNS上のつながりを超えた、まるで“顔見知り社会”のような強い信頼感が存在している。快手では、配信者がライブ配信中に「老鉄のみんな、これは本当におすすめだ」と語りかける場面が日常的に見られる。しかしその言葉に説得力が生まれる理由は、巧みなセールストークにあるわけではない。背景にあるのは、数日、数カ月、時には数年にわたって積み重ねてきた交流と信頼関係だ......
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◆中国ショート動画「快手」分析レポート(5)
~快手はいかに成長したのか?
快手の成長の歩みは、大きく4つの段階に分けることができる。 第一段階(2011〜2013年)はツール期。当時の快手は、「GIF快手」というGIF画像制作アプリに過ぎなかった。機能もシンプルで、ユーザー数も限られており、運営チームもサービスの方向性を模索している段階だった......
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◆中国ショート動画「快手」分析レポート(4)
~快手とはどのようなプラットフォームか? ③〜快手を支える「信頼経済」
快手はコンテンツコミュニティを基盤に、ライブ配信、広告、ECを展開。2021年には香港証券取引所へ上場した。現在の主要な収益源は、「広告収入」「ライブ配信投げ銭」「EC販売手数料」の3つ。なかでも、最も成長が期待されているのが事業だ......
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◆中国ショート動画「快手」分析レポート(3)
~快手とはどのようなプラットフォームか? ②〜快手と抖音(TikTok)の違い
快手の特徴を理解する上で、中国のもう一つの代表的なショート動画プラットフォームである抖音(ドウイン・TikTok)との比較がわかりやすい。両者は同じショート動画プラットフォームでありながら、ユーザー文化やコンテンツ拡散の仕組みが大きく異なる。第一に、レコメンドの仕組み......
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◆中国ショート動画「快手」分析レポート(2)
~快手とはどのようなプラットフォームか? ①〜「老鉄」を中心としたコミュニティ
快手の起源は2011年にさかのぼる。当時は「GIF快手」というGIF画像制作ツールに過ぎなかった。その後、2013年にショート動画SNSへ転換すると、「一般ユーザーにも広く露出機会を与える」という独自方針を打ち出した。多くのプラットフォームが芸能人や人気インフルエンサーを中心にレコメンドするなか、快手ではフォロワー数の少ない一般ユーザーにも一定の「流量」(トラフィック)が配分される仕組みを採用している......
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◆中国ショート動画「快手」分析レポート(1)
~7億人の「老鉄」が支える地方のライブコマース消費 中国「下沈市場」攻略の切り札「快手」(クアイショウ)
中国のネット・EC(電子商取引)業界において、ショート動画アプリ「快手」(クアイショウ)は独特な存在感を放っている。一線・二線級都市のユーザーを中心とする小紅書(RED)とも、アルゴリズムによる強力なレコメンド(推薦)配信を特徴とする抖音(ドウイン・TikTok)とも異なる......
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◆「美団閃購」に見る5つの主要消費シーン分析(6)
~インスタント・リテール「美団閃購」で売上が伸びる5つの場面⑤〜新商品・発売日
若年層の新しい技術や製品に対する関心がこれまで以上に高まるなか、その欲求もよりスピードを重視するものへと変化している。従来のように予約販売で長く待つことを受け入れにくくなり、発売と同時に手に入れるという体験そのものが価値として求められるようになっている......
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■新着統計データ一覧
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◆2025年中国不動産市場の基本状況④〜不動産開発景気指数
◆2025年中国不動産市場の基本状況③〜不動産開発企業の資金調達状況
◆2025年中国不動産市場の基本状況②〜新築商品用不動産の販売および在庫状況
◆2025年中国不動産市場の基本状況①〜不動産開発投資の動向
統計データ一覧はこちら >>
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■お知らせ
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◆会報誌「中国消費洞察」2026年6月号(vol.135)発行
会報誌2026年6月号(vol.135)の巻頭特集では、中国で急成長する新たな食品小売業態「零食量販店」を取り上げました。
近年、中国では「好想来」「趙一鳴零食」「零食很忙」などに代表される零食量販店が急速に店舗網を拡大しています。菓子類や飲料、ナッツ類、肉加工品など数千種類の商品を低価格で販売する業態で、主要都市だけでなく三線級以下の「下沈市場」にも広く浸透し、中国の食品流通を大きく変えつつあります。
その背景には、メーカーからの大量仕入れや効率的な物流網による低価格の実現だけでなく、豊富な品揃えの中から自由に商品を選べるという高いコストパフォーマンスがあります。少額でもさまざまな商品を試すことができるため、新商品の購入機会を生み出す販売チャネルとしても存在感を高めています。
市場拡大のスピードは非常に速く、2020年末に約1,800店だった店舗数は、2025年末には4万5,000店を突破しました。「鳴鳴很忙」と「万辰集団」の二大チェーンだけで3万店以上を展開し、市場は実質的な二強体制へと移行しています。
今号では、零食量販店が急成長した背景やビジネスモデル、市場構造、主要プレイヤーの戦略、メーカーとの取引・協業の仕組みを整理するとともに、日本の食品企業にとってのビジネスチャンスについて分析しました。
業界研究では、中国のサービス消費市場を特集しました。
近年、中国では「モノを所有すること」から、「体験や豊かな時間」に価値を見いだす消費へと大きく転換しています。旅行や外食、ライブ・イベント、スポーツ、教育など幅広い分野でサービス消費が拡大し、人々のライフスタイルやお金の使い方にも変化が表れています。
2025年のサービス小売売上高は前年比5.5%増となり、モノの小売を上回る成長を記録しました。一人当たりのサービス消費支出や個人消費に占めるサービスの割合も着実に上昇しており、中国経済におけるサービス産業の重要性は一段と高まっています。
また音楽フェスや没入型エンターテインメント、スポーツイベントなど、「情緒価値」を重視した新たな消費スタイルも広がっています。消費者は商品そのものではなく、感動や共感、思い出といった体験価値を求める傾向を強めています。
日本企業は、観光、飲食、宿泊、教育などの分野で高品質なサービスや運営ノウハウを蓄積しており、中国で拡大するサービス市場は新たな事業機会となる可能性があります。
今号では、中国サービス消費市場の最新動向や成長分野を整理するとともに、日本企業に期待されるビジネスチャンスについて考察しました。
マーケティングコラムでは、2026年の「618」商戦を取り上げました。
今年の618商戦は、例年のような派手な販促競争ではなく、AIを活用した運営効率や顧客体験の向上が競争力を左右する「AI主導元年」とも呼べる内容となりました。各プラットフォームは複雑なクーポン施策を見直し、より分かりやすい値引きへと転換するなど、EC市場は成熟期にふさわしい競争へと移りつつあります。
また即時配送サービス(インスタントリテール)の存在感も一段と高まり、オンラインとオフラインを融合した新たな販売モデルが急速に普及しています。中国EC市場は、価格競争の時代から、AIやデジタル技術を活用した高効率・高付加価値競争へと新たな局面を迎えています。
今号では、2026年618商戦の最新動向を整理するとともに、中国EC市場の変化や日本企業が注目すべき販売チャネル戦略について分析しました。
そのほかにも、中国の消費やマーケティングに関するインサイト情報やデータを多数掲載しています。
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会報誌『中国消費洞察』
2026年6月号(vol.135) もくじ
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【巻頭特集】中国「零食量販店」市場分析レポート
中国の食品流通を変える新たな小売業態
デフレ圧力下で急成長する「零食量販店」(菓子類専門チェーン)
【業界研究】中国サービス消費分析レポート
ニーズの多様化で日本企業にも商機
「情緒価値」を求める中国サービス消費の新潮流
【マーケティングコラム】2026年「618」商戦分析レポート
インスタントリテールが主戦場へと浮上
「AI主導元年」となった中国「618」商戦
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